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主導型(D)×熟考型(S)がすれ違う理由と
ルールのチューニング法

公開日: 2026年8月6日

「で、結局どうする?」

会議の終盤、Dの人がそう切り出します。もう十分話した、そろそろ決めよう、というサインです。

一方でSの人は、まだ頭の中で情報を並べ替えている最中です。「ちょっと待ってください、まだ整理できてなくて」。この一言に、Dの人は少しイラッとします。「さっきからずっと考えてるのに、まだ?」。

これは性格の相性の話ではありません。主導型(D)と熟考型(S)、それぞれのエンジンの回し方が違うだけです。

DとSは、別のスピードで走っている

Powerが「主導する/受容する」の軸だとすると、この記事で扱うのはPowerとSpeedが組み合わさったときの摩擦です。Dはとにかく前へ進めたい。決めて、動いて、走りながら修正する。エンジンが常に高回転で、止まっている時間がもったいないと感じます。

Sはその逆で、動く前に整えたい。情報を並べ、抜け漏れを確認し、納得してから一歩を踏み出す。これは慎重すぎるのではなく、精度を上げるための必要な時間です。

この2人が同じ会議室にいると、何が起きるか。Dは「決断が遅い」と感じ、Sは「準備不足のまま進めようとしている」と感じます。どちらも間違っていません。ただ、時計の進み方が違うんです。

具体的にすれ違う場面

場面①: 会議での即決を迫られるとき

Dが「じゃあこれで行こう」と提案し、その場での同意を求めます。Sは頭の中でまだシミュレーションが終わっていないので、返事を保留したくなる。ここでDが「なんで返事しないの」と畳みかけると、Sはますます固まってしまいます。

場面②: プロジェクトの計画段階

Dは「走りながら考えよう、まずやってみよう」というスタンス。Sは「リスクを洗い出してから動きたい」というスタンス。Dからすると石橋を叩きすぎに見え、Sからすると準備なしで崖から飛んでいるように見えます。

場面③: 締め切り直前

Dは早めに手を動かして、多少粗くても形にしたい。Sは締め切りギリギリまで内容を練り上げたい。同じ締め切りに向かっているのに、進み方の体感速度がまったく違います。

ルールをチューニングする — 3つの工夫

すれ違いに気づいたら、次にできるのは「ルールを一緒に調整すること」です。片方が我慢するのではなく、その場でお互いのペースを歩み寄らせる。

1. 「決める時間」と「考える時間」を分ける

会議の中で、「まず案を出す時間」と「決める時間」をあらかじめ分けておく。Sは前半で安心して考えられ、Dは後半で気持ちよく決められます。時間割そのものが、2人のための翻訳装置になります。

2. Dは「いつまでに」を伝える、Sは「今どこまで考えたか」を伝える

Dが「今日中に決めたい」と先に言えば、Sはそこに向けて頭を整理し始められます。Sが「あと2点だけ確認したら決められます」と言えば、Dは待つ理由が分かって安心できます。沈黙のまま待たせる・待たされるのが一番こじれます。

3. 「仮決定」という中間地点を使う

Dは完璧な決定でなくてもいい、まず仮でいいから前に進みたい人です。Sは「仮」という言葉があるだけで、心理的なハードルが下がります。「これは仮決定、来週見直そう」と言えるだけで、両方が納得できる着地点になります。

どちらが正しいかではない

Dの速さは、停滞していたものを動かす力です。Sの慎重さは、見落としを防ぐ力です。どちらも組織やチームに必要で、優劣はありません。

大事なのは、相手の時計を自分の時計に合わせさせようとしないこと。そして、「今、私たちは違う速度で動いている」と気づける言葉を持っておくことです。

あなたはD寄り、それともS寄り?

まずは自分のテンポを知ることから始めてみましょう。

あなたのスタイルはどれ?

たった数分のテストで、あなたのコミュニケーションのクセが分かります。